お薬で効果が乏しい過活動膀胱の新しい治療法です。
ボトックスには筋肉の収縮を弱める作用があり、膀胱内に直接注入することで膀胱の異常収縮を和らげ、過活動膀胱に伴う頻尿・尿失禁などの症状を改善します。
ボトックスは顔や瞼の痙攣や腋窩多汗症、その他美容医療においても広く使用されています。
欧米では2000年代からこの治療法が過活動膀胱の主流となっており、日本では2020年4月より保健適応となっています。
実際には麻酔薬を膀胱内に注入してから行います。麻酔時に痛みはありません。
麻酔後、膀胱鏡という内視鏡カメラを用いて膀胱壁に細い針でボトックスを約20ヶ所に分けて注入していきます。
施行中の痛みは、膀胱の筋肉に針を刺す際に鈍い痛みを感じる方もおられますが、痛みをあまり感じない方がほとんどです。
手術自体の時間は10分程度、受付から会計まで2時間程度です。
入院は必要なく、日帰りで歩いてご帰宅可能です。
既存の治療薬で十分な効果が得られない難治性過活動膀胱の患者さんが対象となります。
具体的には
●3ヶ月以上内服治療を受けているが、症状が改善しない方
●副作用により内服薬が服用できない方
最終的には診察にて院長が慎重にその適応を検討し患者様と十分な話し合いを行った上で治療を行うか判断しております。
効果は通常、施術後2~3日程度で現れます。個人差はありますが、4~8ヶ月間持続します。効果が不十分な場合や、薬の効果が弱まり症状が再発した場合は前回の投与から4ヶ月経過していれば再投与可能です。
国内の臨床試験では、初回投与後6週間で1日あたりの尿失禁回数が3.64回減少、27%の方で尿失禁が完全に消失、60%の方で尿失禁回数が半分以上消失されたと報告されています。
治療後に下記の副作用が報告されています。
・血尿(約2%)
膀胱内に注射をするため血尿が出ることがありますが、通常は一時的なものです。
・尿路感染症(約5%)
尿の出口から細菌が入り込み、膀胱炎、前立腺炎、腎盂腎炎などの尿路感染が生じることがあります。
・排尿困難、残尿の増加、尿閉(約5~9%)
尿が出しきれなかったり、尿がたまってしまうことがあります。残尿量によっては、カテーテルを使用して自己導尿を行っていただくこともあります。
・アレルギー(1%以下)
お薬の影響により、吐き気、じんましん、発疹などのアレルギー症状が起こることがあります。
3割負担:約52,000円、2割負担:約35,000円、1割負担:約17,000円
2023年9月開院以降 33件(2024.10月時点)
院長は以前勤務していた山形県でも有数の実施経験があり、この治療法について講演会なども行っておりますので、ぜひご安心してご相談ください。